平屋住宅は2階建てよりも価格が高いというイメージがありますが、実際には平屋と2階建てのどちらのほうが安いのか、いろいろな観点で比較して解説します。

延床面積が同じ場合は2階建てのほうが安い

同じ広さの土地に平屋住宅か2階建て住宅を建てる場合、2階建てのほうが総床面積を広くできます。もし延床面積が同じと仮定すると、使用する建材の質や設備のグレードが同じであれば価格は平屋のほうが高くなります。これは延床面積が同じであれば、平屋のほうが1階部分は広くなるため基礎や屋根も大きくなり、コストがかかるためです。ハウスメーカーによりますが、平屋プランのほうが2階建てプランよりも2~5万円程度は高くなります。

平屋と広めの2階建ての価格比較

30坪3LDKの平屋と40坪4LDKの2階建ての建築費用

実際に平屋と2階建てを検討する場合、2階建てのほうが建築可能な延床面積は大きくなります。例として延床面積30坪で3LDKの平屋と、40坪で4LDKの2階建てで建築費用を比較してみましょう。
40坪の2階建てを総2階の建物にする場合、平屋のほうが1階部分は10坪ほど広くなるため、基礎と屋根にかかるコストは平屋が高くなります。一方で、2階建ての場合は外壁が多くなる分と、階段を作るためのコストがかかります。これらのコストの中では基礎にかかる費用が最も大きいので、平屋のほうが50万円ほど費用増になると仮定します。 建物の基本の坪単価を45万円、水周り等の設備費や付帯工事費の合計を250万円、基礎や屋根のために平屋のほうだけにかかるコストを50万円とすると、 ・30坪3LDKの平屋の建築費用 30坪×45万円+250万円+50万円=1650万円 ・30坪3LDKの平屋の最終的な坪単価 1650万円÷30坪=55万円 ・40坪4LDKの2階建ての建築費用 40坪×45万円+250万円=2050万円 ・40坪4LDKの2階建ての最終的な坪単価 2050万円÷40坪=51.25万円 となります。建築費用は広い2階建てのほうが高いですが、坪単価は平屋のほうが高くなっているのがわかります。ただし2階建ては階段と階段ホールで2~3坪は必要なので、実質37~38坪と考えると坪単価の差はもう少し小さくなります。