住宅ローンの繰り上げ返済はお得?

住宅ローンは余裕があるなら繰り上げ返済すべきという声もありますが、それは本当にお得な行為なのでしょうか。今回は住宅ローンの繰り上げ返済の必要性やお得度について解説いたします。

そもそも繰り上げ返済とは

繰り上げ返済とは、毎月もしくはボーナス加算額とは別途ローンの返済を行うことであり、ローン返済期間の短縮や利息の削減につながる効果を持っています。ただし当然のことですが、手もとにお金がないと、繰り上げ返済は行えません。

繰り上げ返済のメリット

繰り上げ返済をすると、返済額にもよりますが35年ローンにしていたのに30年で返済が終わったり、ローンの借入期間が短いために、利息の削減ができたりする点が大きなメリットです。お金さえあれば基本銀行の営業日であれば振込で対応しているローン会社がほとんどであるため、繰り上げ返済をしたいと連絡をしたその日に全額返済してしまうことも可能なのです。

繰り上げ返済のデメリット

繰り上げ返済をすると、当然のことながら手もとからお金がなくなります。そして、返済したお金は「家を建てる」という目的のために借りたお金であり、自由に出し入れできるお金ではないため、急な病気になろうが事故に遭おうが、すぐお金が必要な状況であるにもかかわらず「返済したからお金がない」ということにもなりかねないのです。

そもそも住宅ローンは金利がローンによって異なりますが0.5~2%程度であるため、繰り上げ返済したところで大した利息の削減効果は見込めません。カードローンのように14%程度あるのであれば、1日でも早く返したくなる気持ちもわかりますが、余剰資金で返済していないかぎり危険を増やすだけになるデメリットを持っています。

貯蓄と住宅ローン返済はどちらがお得?

貯蓄していくのと、住宅ローンの繰り上げ返済を行うのであればどちらがお得か、気になるところですね。

余剰資金があるなら繰り上げ返済

貯蓄はすでに行ってきており、一部繰り上げ返済したあとに何らかの事情で収入が途絶える期間があったとしても、貯蓄でしのげるのであれば、繰り上げ返済をしてしまった方が、利息の削減や返済期間の短縮につながるため、心理的な負担も少なくなります。定期預金で預けているとしても、現状大した金利はつきませんので、「余剰分」だけではありますが、返済に回すのがお得です。

余剰資金がない、貯蓄が現状ないもしくはほとんどない場合には、金利がほとんどつかないとしても、毎月のローン返済が滞ってしまう事態を避けるために、貯蓄をしておくべきです。

退職金をあてにしたローン返済の注意点

退職金をローン返済に充てるのも立派な返済方法のひとつですが、注意点もあります。

・本当に退職金が出るのか

・退職金があるならいくら退職金が出るのか

・貯蓄はしているのか

退職金が無事に出て住宅ローンを返済できたとしても、退職金を全額使うことになってしまい貯蓄がほとんどない状態だと、やはり老後の急病や事故の際に不安が残ります。最悪、せっかくの家を手放すことにもなりかねないため、住宅ローンの返済は計画的に行いつつ貯蓄をしていくのが大切なのです。