老後にやさしい住宅はどっち?

老後の生活には平屋とマンション、どちらの方が適しているのでしょうか。今回はそれぞれのメリットとデメリットを挙げ、老後にやさしいのはどちらの住宅なのか、解説していきます。

平屋

メリット

平屋のメリットというのは、何と言っても一軒家として建てるものですので、ご近所付き合いがおのずと発生しやすいことです。高齢化社会の昨今、孤独死のニュースが流れることもありますが、ご近所付き合いをしっかりとしていれば、亡くなってから数か月発見されなかった、ということはほとんどなくなります。顔を見せなくなれば不審に思い、尋ねてきてくれる方が多数。不審な臭いがするようになれば、子どもがいない、連絡が取れない状態でも、警察への連絡で放置されてしまうことが大幅に減少します。

死亡時だけでなく、健在で病気になった場合でも、助けを求めればそれに応えてくれるご近所さんがいるため、安心して老後を過ごせるのが平屋なのです。

デメリット

基本的には一階建てなのが平屋ですが、一部では二階建てで平屋として売られているものもあります。そういった平屋は屋根裏の高さを1.4m以上にしており、建築基準法上2階建てという扱いを受けながら、本来屋根裏というあまり使わないスペースを有効活用できます。そのような平屋で二世帯住宅として利用することもできますが、一階は子ども夫婦たちが、自分たちは二階にいるようになってしまったら、毎日階段の上り下りが待っています。エレベーター付きの住宅は少なく、足腰が弱ってくるほどに、毎日が苦痛になってしまいます。

マンション

メリット

マンションのメリットは、都心であろうと郊外であろうと、比較的多くの物件が売られており、さらに自分たちの生活にあった広さの物件を選びやすいことです。広すぎる部屋は、老後の生活には掃除などが大変になりますが、あまり広くない部屋から大きな部屋まで数多くあるマンションならば、趣味も含め自分たちの生活にあった部屋が見つけられることでしょう。

デメリット

一番困るのが、犬や猫など大きなペットを連れている場合です。ペット可なマンションとなると、途端に選択肢が狭まってしまいます。また同じ大きな建物の中に部屋を買う(借りる)ため、自分たちが騒音を出して苦情を言われないようにするのはもちろんですが、騒音を出す家庭がある場合もあるのです。ご近所付き合いも希薄であることが多いため、楽しみは積極的に自分で見つけに行かないと、つまらない老後になってしまうのもデメリットと言えるでしょう。

結局どっちの方がいい?

生活スタイルや考え方、またどこにお住まいかにもよりけりですが、筆者がおすすめなのは断然平屋です。一階建ての平屋で、かつ広すぎない家の中でお気に入りがあるといいですね。マンションだと多くの場所でエレベーター付きなため、高層階に住んでいても問題は少ないのですが、非常時でエレベーターが使えず逃げ遅れる危険というのも考えねばなりません。

現役時代と比べ力も出せず、体力も衰えていくのが一般的な老後では、もしもの事態が発生したらどうするのか、広い方が生活は快適でも家事が大変になりはしないか、といったことを考えるのも大切なのです。